世界で初めて戦争をなくすプロセスを説明する

日本は第2次世界大戦後、戦争をなくそうと決意した世界市民の理想を描いた国連憲章の精神を最も色濃く実現した平和憲法を持つ国ですが、昨今その憲法を改正し、平和へ向かう気持ちに逆行する動きがあることを憂慮しております。憲法の精神を忠実に実現するなら、戦争を無くすことができ、ひいては国防も成るのです。そのために全力を尽くすと決心を示した日本人としての誇りを堅持しよう。

防衛費増大について

headlines.yahoo.co.jpせ

 

世界の防衛予算はざっと150-200兆円とお考えいただければ良いと思います。

大体アメリカ合衆国の予算は60兆円、中国が20兆円この2カ国で全体の約半分です。

あとは10兆円以下です。アメリカ合衆国民主党政権で防衛費削減傾向にあり、共和党政権で増大する傾向にあります。トランプ氏は「偉大なアメリカを取り戻す」と言っていますから、普通に考えれば増大するはずですが、その分の駐留経費を同盟国に持たせようとしているのでしょうか。以前はアメリカ1国で世界中の防衛費の半分を占めていたこともあります。

日本の5兆円といえば世界でも5本指に入る予算規模になります。ドイツ韓国でも4兆円を越えません。

韓国は約50万の陸上兵力と300万を超える予備役いますが、予算は日本の8割程度です。徴兵制が実現する低コスト軍隊でしょう。海空軍、海兵隊は合わせても規模が20万を超えません。

北朝鮮は100万を越える陸上兵力に対して防衛費は1割ー2割です。それでミサイルなど開発しているので、通常兵力に対するコストの低さが際立ちます。

日本は兵器なども高コストですが、何よりも人件費が半分弱を占めるという点で、予算の割りに兵力がぱっとしない理由です。

日本よりも高コストな軍隊としてはサウジアラビアが挙げられると思います。日本の1.5倍の予算ながら、規模は日本と同程度。半分は王室の親衛隊であり、ほぼ私兵です。兵器はすべて輸入で、最先端をそろえていますから、日本も世界最高の兵器を開発すればサウジアラビアで採用してもらえるかもしれません。

さて、日本として米国が如何に得がたい同盟国であるかは予算だけを見てもわかると思いますが、問題はやはり中国でしょう。

中国は人民解放軍だけで220万といわれます。予備役、武装警察を含めると300万、さらに民兵組織があり、これが800万とウィキにありますので、ざっと1000万人以上の人員がいることになります。それでも中国の人口を考えれば本の1%にすぎませんが、米軍と違い、これが基本的に中国国内だけで活動していることを考えればその密度がわかります。

中国が恐ろしいのは、その最先端兵力を準備しつつある人民解放軍220万人が全て外征に使用可能である点です。通常何処の国も外征に当たっては国内に兵力を残さなければ国防が成り立ちません。しかし、中国はあの史上最大版図を誇った大日本帝国時代の日本軍の3分の1もの兵力をただ一点の戦域支配に使用しうるということです。世界史上最大の作戦といわれるノルマンディー上陸作戦で130万といわれますから、中国はそれを越える作戦が可能です。使用される火薬量は当時とは比較になりません。朝鮮戦争ベトナム戦争を比べるだけでも相当な開きがありますが、イラク戦争は完全にそれらを凌駕しています。明らかではありますが、データはありません。その気になって中国が準備をすれば、新潟に上陸した場合一日で東京は落ちます。1週間で南北の連絡は完全に絶たれるでしょう。

なお、旧帝国陸海軍は終戦時の残存兵力で陸軍600万、海軍300万の約900万ですが、残存という言葉にご留意ください。戦死者は約200万とされています。人口の一割を超える軍隊だったわけで、現在の北朝鮮が人口の約5%とされていますから、国家負担は推して知るべしです。しかもそれは北朝鮮軍と違い壮健な成年男子のみで構成されており、国内経済は成り立ちようもなかったでしょう。まさしく国家総力戦です。

さて、日本の基本戦略は自衛隊で抑えて、米軍の来着と共に反転攻勢、奪還というシナリオです。現在の戦略によれば米国の本気度しだいで日本がどれだけ削られるかが変化する状態です。その負荷があまりにも大きくなれば、米国民は自らの国を犠牲にしてまで東洋の小国を守ろうとはしないでしょう。同盟とはそういうものです。

ということを踏まえて日本の兵力を見れば、大変心もとないことは明らかです。中国人民解放軍の一割に満たない軍隊で守るには日本の海岸線は広すぎます。

上陸作戦は制海権の確保、対空兵器の撃滅、制空権の確保、上陸・橋頭堡の確保、占領という流れで進むことになると思いますが、日本が制海権を維持することはかなわないでしょう。私なら攻撃をする段階で飽和量の弾道ミサイルで艦艇を減殺します。米軍艦艇が反攻できるまでに一週間はかかるでしょう。それまでに上陸できます。攻撃の主導性とはそういうものです。

かつて私は中国の上層1億人は日本人より金持ちだと分析したことがありますが、人民解放軍上層1割が自衛隊を超えれば国土防衛は無理です。南シナ海を見ても、中国はその気になったら実行するし、実行後はいかなる非難があろうと知らん振りです。ロシアのクリミア半島もそうでした。米国は直接対決を恐れてそれらを放置しています。レーガン時代の米国なら迷わず打ち砕いたでしょう。あるいはブッシュ両大統領でもそうだったかもしれませんが、再び米国があのような気概を見せることはないと思います。結果、クリミアも南シナ海も既成事実化して彼らの思惑通りになるでしょう。

つまり、日本が攻められても失地回復は日本人の手によるほかありません。今の自衛隊では尖閣を取り戻すこともままならないでしょう。本土4島もその立場に変わりはありません。今の国際情勢をみれば、日本の国防はひとえに中国がその気にならないことを祈るのみであるという認識を持つべきです。

この程度の防衛費の増大は焼け石に水、どうせダメなら防衛費なんて半分にしてもいい。日本を日本人で本気で守るなら、兵力だけでも100万、防衛費は今の5倍程度は必要となるはずです。日本は世界最強の常備軍隊と対峙しているのですから。米軍の支援が期待できるとしても50万以上の兵力は要します。

かつて知り合いに海空軍を増強すれば陸兵はいらないという人が居ましたが、それは完全な間違いです。そんな国があったなら、わたしなら一個中隊を上陸させて国の中枢を破壊させます。シンガポールのように全海岸線をカバーするほどの舟艇を準備できますか?沖縄戦で米軍があれほどの軍を振り向けてきたのは、ひとえに陸兵との戦闘があったからです。沖縄に防衛兵力がなければ一個艦隊と海兵隊で十分でした。

結論として、今の防衛費というのはあまり意味がないと思います。ましてやこの程度の増減は根本的な安全保障方針が明確になるまで検討するに値しないほどに些少な問題です。

自衛隊の規模は何を対象としているのか不明です。日米安保の確実な履行を担保するために米国の要求を呑み続けるなら、米国の国防費の相当額に匹敵するほどの防衛費を必要とするでしょう。(みなさんならどれくらい庇護国が負担していれば守ってやる気になりますか?)

ただ防衛予算をを考えるだけでも、国土を守る軍隊ではなく、私が主張する国際秩序を守ることを目的とした常設連合軍が必要であると確信できます。