TPP批准について
TPPが本当に日本の国益に合うのか。正直アメリカの訴訟姿勢を見ているとデメリットやリスクのほうが多いような印象を受けていた。
アメリカがTPP離脱を通告した段階で事実上TPPは白紙になるのであろう。あらゆる前提が覆るはずだ。日本としてはアメリカ抜きでTPPを主導する良いチャンスでもあると思う。いずれにせよ世界が自由貿易体制に進むことは間違いない。2国間協定は基本的にTPPの枠より相手の条件を悪くすべきだ。最低ラインをTPPとして、それより踏み込んだ要求をされてもTPPを盾に断るのは相手も納得せざる終えないだろう。そしてこちらが有利な条件をできるだけ押し付ける。すべての加盟国がこの線で交渉を進めれば、TPPへの加入希望も増えてくることだろう。
私は阿部首相がトランプ氏に早期会談を望むとテレビで話しているのを聞いて「そんな急ぐ必要もない。」と書いていたのだが、ふたを開けてみれば外国首脳で一番最初の会談となった。一番というのはいろいろな意味で価値を持つと思う。結果としては良かったと思うのである。
同様に、TPPについても他国に先駆けてTPPを批准するならば、それは今後の主導権を握るためにも有益であろうと考える。白紙に戻る可能性が高いからこそ、安心していの一番に批准して、白紙後の交渉の主導権を握るように担当諸官が準備することを期待したい。
官僚は一様に賢いはずだが、そういった戦略的な動きが感じられないのがもったいない。愚図な政治家が求めたとき、もうできてますよ、と出してきてくれたらいいな。